
経営コンサルタント 井上 岳久 氏
変革期は新しい市場が山のように生まれるとき
変革期を生き抜くための基本とは
新型コロナウイルス問題は人類にとって大きな試練。多くの経営者が事業存続の危機に立たされています。この事態を切り抜け、中長期的に強い経営体質に変えていくためのヒントを、経営コンサルサント井上岳久氏にうかがいました。
新しい市場を積極的に見つけ出して
―― コロナによる経営危機を切り抜けるために、経営者はどう考えていけば良いでしょうか。
1つ目は他力本願。どちらかというと主体的に何かやろうというより、政府や自治体、商工会議所などは何もしてくれないと不満をぶつける方にエネルギーを割く人たち。
2つ目は資金繰り、今日の売上・・・など、この急場を乗りきることだけを考えている対処療法的な人たち。
3つ目は、世の中の変わり目では新しいものが生まれてくる、それを積極的に見つけ出していこう、そこにはもしかしたらすごい黄金大陸があるかもしれないと目をランランと輝かせている人たち。
―― 新しい市場を見つけ出すヒントを教えてください。
今のビジネスに展望があるのか〝分析〟を
―― 変革期だからこそ新しい業態に飛び込もうという人は結構いますが、一方で今まで成功してきたものにどうしてもこだわってしまう人もいます。
―― ドライブスルー方式で、予約してもらってお客さんに取りに来てもらうというのも良いですよね。作りたてを渡せるし、これから食中毒の時季でもありますし。今資金がなくて、宅配システムをつくることができない企業が多いので、ドライブスルーは有効かなと思います。
―― ところで、コロナ禍によってテレワークが一気に広まりました。今後は一般的になって、社会と個人のかかわり方は変わっていくのでしょうね。
■■■■ 未来を生きる子どもたちへ
生き抜くための強みは 自分が一番得意なこと
―― これからの子どもたちが社会で生き抜くために、どんな力をつけたらよいと思われますか。

井上岳久(いのうえ たかひさ)
– PROFILE –
井上戦略PRコンサルティング事務所代表(http://www.mk-pr.jp)、PR戦略コンサルタント、マーケティングPRプランナー 。最先端のマーケティング戦略「マーケティングPR」研究及び実践の第一人者。
1968年生まれ。商社などに勤務後、横濱カレーミュージアム・プロデューサーを経て現職に至る。横濱カレーミュージアムの立ち上げから携わり、2002年11月に代表に就任、入館者数減少に悩む同館をわずか1年で復活に導く。06年11月に退任。現在はマーケティングPR手法を講演やコンサルティングで指導。指導先は中央官公庁や地方自治体から大学、大企業、各種業界団体、中小企業まで1,000社以上にのぼる。
著書は『広報・PRの実務』(日本能率協会マネジメントセンター)、『実践プレスリリース道場総集編』『広報入門』(宣伝会議)、『カレーの経営学』(東洋経済新報社)、『人生を変えるプレゼン術』(朝日新書)など多数。
中小企業診断士、中小企業庁・地域観光資源活性化アドバイザー、全国商工団体の経営指導員。埼玉県加須市観光大使。事業創造大学院大学客員教授、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。
取材日:2020年5月27日
綿貫 和美