
彩のくに創作舞踊団 主宰 藤井 香 氏
続けていく力を身につけるために
日常生活から生まれてくるアート
気温41℃を超える猛暑日を記録したこの夏。コロナ禍により発表会や試合の中止が相次ぎました。受験、就職、学校、仕事も滞るなか、日常生活を用心しながら歩みはじめた大人も子どもも、いまが踏ん張りどころかもしれません。今回は幼少から舞踊を続けてこられた藤井香さんの足跡をたどりながら、続けていく力を身につけるためのヒントを探ります。
父の作品で楽しさが倍増して
―― モダンダンスをはじめたきっかけはなんですか。
風
―― ダンサーとして印象的な作品は?
「オーロラの向かう所」に感銘をうけて
―― 振付師として印象的な作品は?
―― 大きな存在を失ったばかりでつらい作業になったのではないですか。
―― その柳のような強さがアーティストの本領なんですね。つらいことがあっても生活のリズムは変わらないですか。
タラマイカ偽書残闕
どうしたら続けられるのかを考える
―― 長く続けていることをとても尊敬します。幼少のころから続けてこられてやめたいと思ったことはないですか。
つくりたい世界は生活のなかから
―― オリンピック選手のような練習漬けの生活ではなかったんですね。
―― コロナ後はどう展開していこうと考えますか。
おむすびころりんおなかの旅
― 埼玉県立近代美術館でのSMF(Saitama Muse Forum)のイベント。おならの音を出しながら階段に向かって飛び出していくパフォーマンス
■■■■ 未来を生きる子どもたちへ
遊びを発見して ワクワクすることに目を向けて
―― 未来を生きる子どもたちに、これからの社会を生き抜く力を与えるメッセージをお願いします。
穴と石積み
藤井 香
– PROFILE –
埼玉県さいたま市生まれ。幼少より両親(藤井公、利子)のもとでモダンダンスを始め、1978~1998年 東京創作舞踊団にてソリストとして活躍。1998年 彩のくに創作舞踊団を立ち上げ、創作活動と後輩の育成に専念する。
彩のくに創作舞踊団公演:
1998年「海を渡る鳥・注文の多い料理店」(芸術文化振興基金助成公演) 、2000年「欲望という名の電車 」/「われに五月を」、2001年「生命の話をしよう」(芸術文化振興基金助成公演)、2003年「砂の女」、2005年「穴と石積み」、2008年「アパートメント」、2019年 「平気に踊るvol.1」…松元日奈子作品「夕方の隣人」、藤井彩加作品「人に成る」、藤井香作品「限られた中にある無限」を上演
その他の主な振付作品:
「屋根の下」(1988年)、「黄金の魚」(1992年)、「タラマイカ偽書残闕」(2003年)、「ガラスの動物園」(2005年)、「帰る」「風」(2010年)、「拡張」(2014年)、「きのこのレシピ」(2015年)、 「平和な食卓から」(2016年)、「反復の中の私的な滲み」(2019年)等
企画運営活動:
◇2006年~「コレオグラファーの目」(主催:埼玉県舞踊協会)
新人・中堅舞踊家による実験的な作品発表の場として開催しているダンスパフォーマンス。埼玉県立近代美術館やSMFの協力を得ながら、埼玉県舞踊協会の上田仁美、原島マヤ等と共に企画・運営。埼玉県立近代美術館、北浦和公園、入間市博物館アリット、ヒアシンスハウス、川口市立アートギャラリーアトリア、KWAGUCHI ART FACTORY、彩の国さいたま芸術劇場情報プラザ、こしがや能楽堂にて開催。2013年~2019年には「足袋nce@能楽堂」と題した、古典芸能×足袋×ダンスのコラボレーションを「万作の会」の協力を得て開催する。また、老若男女で楽しめる「足袋nce 体操」の制作・発信や、地元のレストランから始まり→古民家施設→日本庭園→公演鑑賞というルートを楽しむモデルプラン「大人のBunka 倶楽部」を推奨するなど、舞踊愛好家でない市民へのアプローチとしての活動にも取り組む。
現在、2021年に国営武蔵丘陵森林公園にて「#Morince やわらかな風と森編―コレオグラファーの目vol.19-」を企画中。
◇2008年~ SMF(Saitama Muse Forum)の運営委員として、建築・電子音楽・美術・ダンス・文学の協働ワークショップ、コラボレーションパフォーマンスなどの企画、運営に携わる。
賞歴:
埼玉全国舞踊コンクール・モダンダンス1部第1位橘秋子賞、県知事賞「鳥」(1983年)、 (社)現代舞踊協会 群舞賞「空間に満ちている音楽」/新人賞「太陽」(1985年)、東京新聞全国舞踊コンクール創作部門第1位文部大臣賞「永訣の朝」(1986年)、 埼玉国際創作舞踊コンクール最優秀賞「屋根の下」/ローザンヌ国際新人振付家コンクール ベジャール・バレエ・ローザンヌ賞「希望と旅立ち」(1988年)、 (社)現代舞踊協会 奨励賞「黄金の魚」(1992年)等を受賞
所属団体:
彩のくに創作舞踊団主宰 、埼玉県舞踊協会理事、SMF(Saitama Muse Forum)運営委員、(一社)現代舞踊協会監事
その他:
「香の挑戦」NHKドキュメント 放映(1988年)、埼玉県主催公演「香の挑戦」をJohn Meadを招いて開催(1989年)
映像:
「帰る」 https://www.youtube.com/watch?v=ogT-YSt5htw&feature=autoshare
「風」 https://www.youtube.com/watch?v=aqEJbHLSmF0&feature=autoshare
「ガラスの動物園」 https://www.youtube.com/watch?v=zPPWwOvd4WY&t=21s
取材日:2020年8月20日
磯崎 弓子